ご挨拶

コンソーシアムのさらなる発展に向けて


北海道大学
総長 名 和 豊 春

 日本は今、新たな未来型の成長戦略を推進するため、国を挙げて第4次産業革命による超スマート社会(Society5.0)の実現を目指しています。多様性がより一層求められる時代となり、様々な分野で高度な研究力を発揮して活躍できる人材の育成は、大学の使命であるとともに社会からも大きな期待が寄せられています。
 北海道大学では、第三期中期目標・中期計画において「専門的知識に裏づけられた総合的判断力と高い識見、並びに異文化理解能力と国際的コミュニケーション能力を有し、国際社会の発展に寄与する指導的・中核的な人材の育成」を揚げ、「入学からテニュア職獲得まで」の一貫した人材育成システムの構築のため、若手研究者の育成をはじめとする様々な人材育成システムの改革を進めています。
 本パンフレットで紹介する「連携型博士研究人材総合育成システムの構築」もこの様な流れの中における人材育成システム改革の1つであり、平成26年度、文部科学省「科学技術人材育成のコンソーシアムの構築事業」に、北海道大学、東北大学および名古屋大学の3大学が共同で申請し、採択されたものです。
 本事業では、各大学が有する優れた研究環境や資源を有効に活用するとともに、連携して若手研究人材の育成を進めております。本コンソーシアムは、協働する参画機関を増やしながら着実に大きな成果を上げてきており、この挑戦に皆様のご理解とご支援を宜しくお願い申し上げます。

三大学協調による若手研究人材育成をめざして


東北大学
理事(研究担当) 伊 藤 貞 嘉 

 科学技術人材育成のコンソーシアム構築事業は、「複数の研究機関が連携してコンソーシアムを形成し、若手研究者や研究支援人材に対して、流動性を高めつつ、安定的な雇用を確保するために、国内外の研究機関、企業等とも連携してキャリアアップを図る仕組みを構築し、海外や企業を含めた多様な場で活躍する研究者と高度な研究支援人材を育成することを目的とする」もので、平成26年度から8年間の事業プログラムです。
 東北大学では、既に学位プログラム推進機構学際高等研究教育院において修士・博士研究教育院生を学内から公募・選抜し、若手研究者として育成するシステムが確立し、併せて博士後期課程学生やPDを対象として、高度教養教育・学生支援機構キャリア支援センター内の高度イノベーション博士人財育成ユニットにおいてイノベーション創発人財育成プログラムが進行中です。加えて、学際科学フロンティア研究所においては、国際公募によって若手研究者を募り、平成29年4月現在で54名(准教授2名、助教52名)が活躍中です。これらの学内における若手研究者のキャリアアップ支援システムは、今般のコンソーシアム構築事業と主旨を同じくするものであります。北海道大学、名古屋大学と連携を組むことにより、各大学のもつ強みを生かし、かつ相互に補完することよって、研究人材育成環境がさらに改善されるものと期待しております。
 また、本プログラムに参加される若手研究者の皆さんには、長期海外研修、国内他大学における研修などの恵まれた研究並びに事業環境を活用し、自分のスキルアップを図り、世界に羽ばたく研究者として成長されんことを期待しております。
 今後の本プログラムの発展・展開に向けて皆様のご理解・ご協力・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

人材育成コンソーシアムの設立にあたって


名古屋大学
理事(研究・男女共同参画担当)・副総長 
髙 橋 雅 英
 

 北海道大学ならびに東北大学とコンソーシアムをつくり、3大学が保有する充実した研究環境および人材育成のための資源を共有して、人材育成プラットフォームの構築をめざして本年度で4年目となります。海外派遣や共同研究、インターンシップやキャリアパス支援、雇用期間の保証と流動性を促す仕組みの確保により、文系理系を問わず、次世代研究者やイノベーション創出人材を育成する本プログラムを実施してきました。この取組は、名古屋大学が人材育成目標として常に掲げる「勇気ある知識人の育成」に合致しています。
 本コンソーシアム事業における、名古屋大学の取組の特色のひとつは、次世代研究者育成の対象者を、本学が実施してきたYLC(Young Leaders Cultivation)プログラムにおいて採用された特任助教からS-YLCとして選抜することです。これは、本学の教育研究の継続的な発展のため、助教クラスの優秀な若手教員を継続的かつ計画的に採用、養成するためのプログラムですが、多数の応募者から厳選されたS-YLC教員は、本コンソーシアムに参加することでスタートアップ経費や海外研修経費の措置を受け、自立的研究環境の構築と着実な研究始動、さらに新たな研究ネットワークの構築が可能となります。これらの仕組みを利用して、本コンソーシアムから他大学へPIとして転出した教員も出てきています。引き続きPIとしての育成を続けて行きたいと思います。一方、イノベーション創出人材の育成については、3大学で共有するキャリアパス多様化支援プログラムによって、DC学生やPDを対象とした求人情報の提供、個別面談、セミナー、企業等へのインターンシップ派遣を通じて、異分野・異文化コミュニケーション能力を育むことにより、博士人材のキャリア開拓を支援しています。
 本コンソーシアム事業のもと、北海道大学ならびに東北大学の皆様と協働し、大学の教育・研究・運営システムの改善を進めていくことができることを大変うれしく思っております。3大学の若手研究者が、コンソーシアムを足掛かりとして3大学内での共同研究を推進すると共に人脈を広げ、本事業が目指すコンソーシアム内での流動性を高め、さまざまな分野で国際的に活躍してくれると大いに期待しております。若手研究者にとってこのコンソーシアムを通じて築いたネットワークは一生の財産となり、その後の研究生活の強い礎となるものと確信します。

連携型博士研究人材総合育成システムの構築


北海道大学 理事・副学長
笠 原 正 典

1.本事業について
本事業は、北海道大学が代表機関として東北大学、名古屋大学とともに文部科学省「科学技術人材育成のコンソーシアムの構築事業(次世代研究者育成プログラム)」に申請、採択され、平成26年度にスタート致しました。本事業は、北海道大学、東北大学、名古屋大学の3大学が「コンソーシアム」を形成し、互いの研究人材育成資源を結集して、多様な分野を対象にした次世代研究人材育成システムを構築するものです。

2.コンソーシアムの構想
我が国を代表する総合大学3校によるコンソーシアム、外部評価委員会、および研修先としての連携機関(海外連携大学・研究機関及び国内外の企業等)が一体となり、3大学が保有する充実した研究環境および人材育成のための資源を共有することで、博士研究人材が多様なキャリアパスを選択できる共通の科学技術人材育成プラットフォームを構築しつつ、流動性を促進する仕組みを構築しながら、次世代を担う研究者連携育成システムを確立します。

3.コンソーシアムとしての人材育成の方針と理念
北海道大学、東北大学、名古屋大学が、これまでの研究および人材育成に関するノウハウの蓄積と資源を効果的に共有し、若手研究者の自律的環境における専門性の深化を一層促進させるとともに、国内外の多様な場においてその真価を発揮するための素養、即ち、国際性とトランスファラブルスキルを備えた次世代を担う科学技術人材の育成を行います。また、原則5年という比較的長期の育成期間を設定し、研究者として必要な基盤的素養を多角的に身につけることを促します。本事業は、任期付き助教等を対象とした「次世代研究者育成プログラム」とPD,DCを対象とした「イノベーション創出人材連携育成プログラム」の2種類のプログラムで構成されています。