名古屋大学   蜂谷 卓士

役職 : 特任助教
名前 : 蜂谷 卓士
Name : Takushi HACHIYA
所属 : 名古屋大学高等研究院 生命農学研究科
研究分野 : 農学、農芸化学、植物栄養学・土壌学、ストレス生理学

研究概要

動物はお腹がすけば動き回って食べ物をさがしますが、植物はその場に留まらねばなりません。このように一見静的に見られがちな植物ですが、動けないがゆえに、生育環境に応じて自らの形や細胞内の状態を変えることに長けています。例えば、植物体内の栄養が不足したときには、地上部の成長が抑制されるのに対して、根の成長が促進されます。このような変化は、栄養が枯渇するのを防ぎながら、土中から新たに栄養素を獲得するための合理的な手段であると理解できます。しかし、ここで疑問があります。植物は栄養が欠乏したこと(お腹の減り具合)をどのように知るのでしょうか?最も要求量の高い栄養元素である窒素に注目しますと、植物は根から吸収された無機窒素を材料にアミノ酸やタンパク質といった有機窒素化合物を合成します。植物がお腹の減り具合の基準にしているのは無機窒素でしょうか、アミノ酸でしょうか、タンパク質でしょうか?それをどのようなメカニズムによって感知し、根の成長を制御するのでしょうか?私は、“窒素が欠乏しているはずなのに足りているように振る舞う変異株”、“窒素が十分なはずなのに欠乏しているような応答を示す変異株”に注目し、植物体内窒素の感知から形態変化にいたるメカニズムを解明します。

平成30年5月1日より、島根大学総合科学研究支援センター 助教(テニュア)へ就職されました

次世代研究者育成プログラムを振り返って

 私は平成28年度に本事業に採用され、二年間にわたり多方面でご支援いただきました。潤沢なスタートアップ経費に支えられた研究活動だけでなく、様々なスキル獲得を念頭に置いた教育研修プログラムを通じて、PIになるための土台を築くことができました。3ヶ月毎に提出する成果報告について、当初は大変プレッシャーに感じましたが、今振り返れば、研究を効率よく進めるための良いペースメーカーとして機能したように思います。結果として二年間で3報の専門誌への掲載、および、4つの外部資金の獲得を実現できました。定期的に研究の進行状況を整理し直すことの重要性を再認識させられました。本事業では、自身が希望する研究者をメンターとして指定し、自立した研究者になるための指導を受けることができます。メンターからは、自身の研究の価値を高める方法だけでなく、国際シンポジウムの開催手順や効率的な研究室運営の術も学ばせていただきました。いずれも国際的なPIに必須なスキルであるにもかかわらず、これまでほとんど学ぶチャンスのない貴重なことばかりでした。さらに、助教合宿などの本事業のイベントを通じて、多岐にわたる分野の若手助教と交流することもできました。彼らとのディスカッションの中で、研究を進める上での根本的な考え方や手法の違いなどに気づかされ、改めて自身の研究計画を見つめ直す機会にもなりました。異なる分野の新進気鋭の研究者と知り合えたことは、今後の研究人生の財産になると確信しております。最後になりましたが、メンターをはじめとした諸先生方だけでなく、事務やURAの方々にも多大なご支援をいただきました。この場をお借りして、改めて感謝申し上げます。