名古屋大学   豊田 正嗣

役職 : 特任助教
名前 : 豊田 正嗣
Name : Masatsugu TOYOTA
所属 : 高等研究院 生命農学研究科・植物環境応答研究室
研究分野 : 植物生理学、生物物理学

研究概要

植物に神経細胞は無い。しかし、オジギソウのように接触刺激に応答して瞬時に葉を閉じる植物種も存在する。また多くの植物は、昆虫などに捕食された時に、傷害を受けた器官のみならず遠く離れた健康な器官でも抵抗性反応を引き起こす(全身獲得抵抗性)。これらの全身性・高速・機械刺激応答には、局所的なストレス情報を他の器官へと伝えるシグナル分子・伝達機構が関与しているはずだが、その分子実態は明らかになっていない。高感度Ca2+バイオセンサー・ケミカルバイオロジー・光遺伝学的手法を駆使し、(1)シロイヌナズナの全身獲得抵抗性の分子機構の解明、および (2)オジギソウの高速接触運動機構の解明を目指す。

平成28年10月1日より、埼玉大学理工学研究科(准教授)へ就職されました

<次世代研究者育成プログラムを振り返って>

連携型博士研究人材総合育成システムの掲げる最大の目標は、次世代を担う科学技術人材の育成であり、私は平成28年度・育成対象研究者として、様々な面でご支援をいだきました。研究や教育に対して手厚くサポートしていただいたのは言うまでもありませんが、まずは育成対象研究者が受講できるセミナー、特にPI育成セミナーについて述べさせていただきます。多くの若手研究者は研究や教育に集中しており、自身が独り立ちする(PIとなる)ことに対して準備をしていないのではないかと思います。私もそういったことを殆ど考えたことの無い研究者の一人でしたが、最近PIとして研究室を運営する立場になった時に、PI育成セミナーで学んだことが日々活かされていると実感しています。「時間」や「人材」の管理に始まり、同僚である先生方・他の研究室・事務の方々との「コミュニケーション」、そして金銭的な「運営」など、実際にPIになる前に考えて準備をしておいたおかげで、大きな問題も無く研究室をセットアップできていると感じています。このような若手PIとしての教育をしていただけるのもこのプログラムの魅力の1つだと思います。
研究に関しては、米国・ウィスコンシン大学のEdgar Spalding教授との共同研究を支援していただき、植物のイオンチャネルの電気生理学的測定を成功させました。ごく最近Spalding研究室内の人事異動があったので、このタイミングで支援がなければデータを取得するのが難しかったと思います。教育に関しては、指導していた博士後期課程の学生が、プログラム期間内に国際誌に投稿し、その論文が無事に受理されました。現在、今年度の学位(博士)取得を目指して博士論文を執筆中であり、所属は変わりましたが今後も教育を続けていきたいと思っています。
北海道大学・東北大学・名古屋大学の連携によって作り出される流動的な頭脳循環や多彩な人材交流によって、これまでに無い真に価値のあるプログラムを受けることができました。ここでの経験を糧にして、PIとして枝葉を伸ばし、大輪の花を咲かせるように努力していきたいと思います。